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21g
その時、nanoは夜勤明けの疲れた体を椅子に深くしずめていた。

叔父の大きな声で我に返ると、慌てて母を呼びに行ったのだった。



母を連れて病室の枕元に戻ったほんの数秒後

朝から意識の無かった父は、母の声を確認したかのように最期に大きく目を見開いた後

静かに天国へと旅立って行った



病室に響き渡る機械の警告音

あわただしく駆け込んで来る看護婦達

それでもなお父を呼び続ける親族


それはまるで安っぽいドラマのようであり、既視感さえ覚えるようなありふれた光景だった



不思議と悲しいという感情は起こらず、とても冷静にその場を眺めていた様な気がする

すると父は「かはぁっ」と大きく二回、何かを吐き出した



   ~人は亡くなった後、体重が21g減ると言う~



父の魂が出たのだと思い、視線を宙にさまよわせたが何も見ることは出来なかった







あの時吐き出したものは何だったのだろう

苦しかったのだろうか

それとも苦しみから解放された安堵の溜息だったのだろうか


後者であって欲しいと思うのは、nanoの思い上がりかもしれないけど

一人で全てを背負い込んできた人生の最後には安らぎが待っていて欲しい



絵に描いたような職人気質の人間の誕生日が、クリスマスなんて笑えない話だけど

68回目の誕生日を迎えることが出来なかった父に

今はただ合掌



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サンキュー
眠らない夜と違って
眠れない夜と言うのは色んな事を思ってしまうものなんでしょう

それもどちらかと言うとマイナス方面




うちのおとんが余命3年と宣告されてから
今年で3回目の春を迎えたんですが
未だに元気です

確かに刻まれる皺は以前よりも深くなってるし
あれだけ大きかった背中も心なしか小さくなった感じ
絵に描いたような職人だったおとんも歳と共に丸くなり
孫との時間を楽しみに笑顔で待ってる

医者が「普通ならもうコロッと逝ってるはずなんやけどな~」と
軽口をたたけるくらいこの3年は順調に過ぎ
みんな安心してたのかもしれない
いつも側にいたオカンでさえ
それともまだ大丈夫って言い聞かせながら
目を背けてただけなのかもしれない


元気に見えるおとんにも確実に病魔は進行してて
もしかしたら転移してるかもしれん


あと3年って言われても全然ピンとこなかったけど
もうすぐそこにまでカウントダウンは迫ってるのかもしれない











今も君がこの世界に生きていることにThank You!!


                          「Thank You」  by 浜田省吾











この3年何をしてあげれただろうかと情けなくなる
知らなかったではなくて、知っていたのに

きっとこの先、どれだけのことをしても後悔する事はたくさんあるんだろうと思う
これだけしたんだからもう満足なんて有り得ない

でもおとんはまだ元気で生きていてくれる
サンキューなんて言葉では軽すぎるんだろうけど
生きていてくれてほんとにありがとう






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nanouni

Author:nanouni
血液型:典型的なA型
星 座:夢見がちな魚座
住 所:兵庫県在住の♂
     セレブの街の片隅で
     肩を寄せ合い生きてます
家 族:娘2人と奥さん
お仕事:10年経っても進歩のない
     現場監督
趣 味:NO MUSIC NO LIFE
     果てしなくCDが増殖中

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